当社は、明治初年頃に冨家伊兵衛により西陣の織物商として創業しました。後に自らの手で帯地づくりを始め、織元に転業しています。太平洋戦争で一時休機(きゅうばた)しましたが、戦後すぐに「冨家機業店(とみいえきぎょうてん)」という屋号で事業を再開、昭和31年1月に「とみや織物株式会社」を設立しました。西陣織工業組合の証紙番号は「308」。これは「10と3み8や」と駄洒落好きの祖父がつけた番号でした。
京都市オスカー賞を受賞した技術の高さで、米・露大統領、モナコ皇太子、国会議員の先生など国内外の著名人の肖像織物をはじめ、寺社仏閣への奉納用織物、映画の衣装、駅伝やマラソンのゴールテープなど、幅広い分野で評価を得ています。
ものづくりの主軸は、和装向けの帯地づくりとしながらも、インドネシア・ジョグジャカルタ王室との技術交流や植樹支援活動、ロスアンジェルスやサンフランシスコの寺院の壁面装飾など、海外の仕事もしています。
脈々とした伝統の技術を守りつつ、一方で新しい織物の開発にも取り組み、絶え間ない挑戦を続けています。